色彩史
それは壮麗だと流行遅れに見え、アナーキイだと非社会的になり、時代や人とのかかわりで特殊だと、たとえそれがどんな流儀であろうと孤立する。
―――ロラン・バルト『零度のエクリチュール』
1978年に、財団法人日本色彩研究所が、前身である日本標準色協会の創設以来、満半世紀の歴史をもちこたえたことを記念して、その記念事業の一環として、いくつかの記念出版物を刊行しました。
そのなかに、全色彩を系統別に100のブロックに分類して、それぞれの分類について、代表的な色名や、嗜好傾向、使用状況、イメージ特性、配色法などをまとめた『カラーレンジマニュアル100』という資料があります。
しかし、これらの色名構成にはいささか奇妙な印象があります。
たとえば、日本の伝統色名といわれるものは、ほとんどが万葉集の時代や、平安朝以来の古く由緒ある色名ばかりです。